べんがら
べんがらとは
べんがらは、酸化第2鉄を主成分とする顔料。
世界で最も古い塗料と言われ、自然の土の中、赤鉄鋼・鉱物としても存在しています。
べんがらは非常に細かい粒子のため、わずかでも漆喰(白色)に入れると、パッと赤色が広がります。
雪の上に少量落としても赤色がつくので、山岳ガイドは春先、登山道を明示するためにも使うそうです。
世界では約1万7千年前に描かれたフランスの『ラスコーの洞窟画』で使われています。
日本では縄文時代から、埴輪や土器の着彩に用いられました。
約1300年前に描かれた『高松塚古墳(右図)』の婦人の衣服はべんがらで着色されたもので、
今でも変色せず、赤い色が残っています。
江戸時代、べんがらはインドのベンガル地方産のものを輸入していました。
べんがらは、このベンガル地方から来た名前と言われています。
江戸時代後期からは、岡山県の吹屋にて人工製造されるようになり、
有田焼、九谷焼、京都清水焼などの赤い絵部分に用いられてきました。