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ECC Venezia 国際建築展に参加してNo.2

ECC Venezia 国際建築展に参加してNo2

(ECC国際建築展とは大学や会社、個人のアーティストが対象、国単位で開催されるベネチアビエンナーレの一環として同時に開催、http://timespaceexistence.com          https://www.instagram.com/ecc italy

弊社#20の展示会場(Palazzo Bembo)については

https//ecc-italy.eu/locations/palazzobembo)

 そもそもECC Italy(ECC-European Cultural Centre)とは馴染みがなく、一昨年、招聘の案内を受けた時は戸惑った。参加するにしても準備や費用、コロナ禍での開催有無など決断が必要だった。決め手となったのは以下の招聘理由。

「鎌倉設計工房の場合は添付のような建築がECCチームから注目されました。(現在Veneziaで展示中の写真)また、べんがら顔料の使用や日本の伝統+現代のミックスもとても興味深いポイントと考えられます。今年の展覧会では特に持続可能性、斬新な素材、そして自然環境との相互関係が課題となっています。藤本様のアプローチは私たちが企画している展覧会に適していると評価されました。鎌倉設計工房の建築スタイルや素材は外国人の鑑賞者の興味を引き、ベネチアの国際建築展にてぜひとも紹介させていただければと考えております」(原文のまま、記名の招待状は英語)

 そうか、そういえば、私たちのクライアントには、海外での生活体験が長かった方や、ご夫妻のどちらか欧米の方であることが度々ある。海外の方の方が日本の文化を深く見、美意識を育んでいるのでは?と思うことも。そのように感じ始めたのは北鎌倉に福井県の古民家を移築した「北鎌倉古民家ミュージアム」に係わった2000年以降の事。

 今日和風の感覚であれば、木部は素木(塗装しない木)のままにするのだが、この時は江戸時代の古材と色感を合わせる為、新材にはべんがらを塗った、天井一面塗りたくったところもある。すると移築前の「古民家時代」の縄文的な力強さが現れた。赤いべんがらに墨を混ぜ木部に塗ると、独特の陰影を持つ濃い紫となる。重伝建調査の学生時代以来、決してなじみがなかったわけではないが、今更ながら光の当たり具合で変化する美しさに魅かれた。弊社のHP(https://www.kamakobo.com)を見、果たしてECCもその魅力に気付いたのだろうか?!

 思うに、伝統的素材べんがらの使用は木材の魅力を引きだすことにある。素木以外の木の活かし方もある。通常は壁や天井の中に隠れてしまう柱や梁、細かな根太や、屋根組の垂木などを現し、そのまま見せてべんがらを塗る、すると柱や梁の角がシャープに見え、光の当たる面の裏側におぼろげな影ができる。光によって杢目が浮き上がる幽玄味もある。つまり「モダニズム+伝統のミックス」そのもの。その点が木造である事とともに持続可能性と映る。

 べんがらに焦点をあて、今の感性で空間を構成してきたが今後も日本の力強い美しさを掘り起こし、空間に反映してゆく事に力を注いでゆきたい。