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日本の美を伝えたい_鎌倉設計工房の仕事 229

「柏の簓子下見」

という副題ですが

柏とは千葉県柏市の事です。

簓子下見とは、外壁仕上げの一つで

幅が24センチほどの板を横に何枚も

下から張り上げてゆく。

その際、板の上下の端を鎧のように重ねてゆき

板の反りを抑えるため簓子という細い木材

で垂直方向に押さえてゆきます。

簓子は横から見ると板が重なる形状にそって

ジグザグに巧みに削り取られています。

たぶんみなさんの近所にも何十年も経ている

簓子下見の家があるかもしれません。

探してみてください。

今回の建物でこれを採用したのには理由があります。

つまり建築主の希望でした。

簓子の縦のラインや重なった板の横に走る線によって

外壁にふかい陰影が漂う、それをべんがらで

塗装するとなお一層の効果が上がる。

以前、別の家でそのことを感じた

建て主ならではの希望だと思います。

写真のように夕暮れであっても

縦横のラインは明確に出て、サイディングや塗り壁にはない

味わいを見せています。

 

ちなみに丸窓のある壁が簓子下見です。