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洲崎の町屋-8

玄関ドアは既製品でもしっかりしたものはあるが

味のあるものはまだ少ない。

洲崎の町屋南棟に使われている玄関ドアは

厚めのフラッシュ戸に胴縁や薄い壁の間柱に使われる

30×40の角材を駒返しに打ち付けたものだ。

ゲートのドアもこのタイプで赤いベンガラを施している。

以上専門外の方には不親切な表現だが、

多少なりとも建築を

かじった人であればこのドアがいかにローコストで

できているかわかる。

このドアを考案するきっかけとなったのは、

30年前に設計した世田谷の住宅リフォームにおいて。

既存木製ドアのゆがみを補正するために

細かな格子をとりつけたところ

予想以上の表情を見せたからだ。

ドア横の水切りは羊羹の様な厚みのある煉瓦を加工しているが

その先端のピースは多面体をしており

、情熱ある職人の技による。