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南箱根のコッテイジ1

昔は富士山がここからよく見えた!


北側の庭に向かってコーナーを開け放つ

廻り縁のついた座敷、そこから見えるのは

杉や桧の木立、おまけにその後建った隣家まで見え

昔日の面影はない。

人の背丈ほどだった樹木が何十年もたつと

すっかり視界を覆ってしまう。


そればかりか枯葉が屋根に積もり雨漏りの原因を作っていた。

でもどこかないかな?ちょっとでも見えるスポットが!

そんな思いで古家の屋根に上ると、あった!

木立の隙間越しに、望むスポットが!


そこまで富士山にこだわらなくても屋根のてっぺんから東に

視線を移すと、雄大な箱根の連山が眺められるではないか!


南側も鬱蒼とした林になっていたので

少し樹木の伐採が必要だな、北の景色に重点を置きつつ

南の陽光も取り入れるプランにしよう。


だが樹木の伐採費用以上に頭を悩ますことがあった。

なんと道がない。

昔、古家がたっていたころは

適当だった敷地割がその後の変化で

近隣まで家が建ち

きずいてみると道路だったところがハイキングコースになっていた!


何とか土地を道路状に買いまして現行法規で確認申請が通る形にしたものの

そこからは資材の搬入が望めぬ傾斜地。

これはもうハイキングコースを拡幅してを道路にして資材を搬入するしかない!


建築の費用が樹木の伐採、道路の敷設へと、削減されてゆく!

予算の制約は今までで一番厳しい部類に入る。

旧家の基礎を利用できないか、残土は敷地内で処理できないか、

人力で資材を運ぶよりやはり道を作ったほうが安上がりか

などコストとの奮闘が始まる。