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日本の美を伝えたい―鎌倉設計工房の仕事 8

前回は庭から見た建物でした。

今回は室内に入ってみます。


この画像からきずくのは

右半分の天井が下がっています。

「掛け込み天井』と言い、

茶室でよく使われますが

この場合

増築で生まれた要素が強いようです。

障子は床近くの、

紙を蹴破りそうな、

ところは板で仕上げた

水腰障子。

ここでふと右窓の網戸が

気になりました。

上下を4分割して網を張っています。

一番下は障子の腰板の高さに

そろえ、他は等分しています。

さらに

うまいなぁ、と感じたのは

最下段に

吹き寄せのタテ桟が

入っていることです。

これによって障子やガラス戸の

わき役的存在から

自立したものになっている。

網戸というと夏場の防虫、

で入れざるを得ないが

視界を遮るいわば厄介者

がここではちゃんと

網戸の美学

を感じさせるのです。