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日本の美をつたえたい―鎌倉設計工房の仕事 99
日本の美をつたえたい-鎌倉設計工房の仕事 99
「成田の濃紫べんがら」
前回ブログが11月17日
だいぶ間が空いた!
さて今回からは千葉県成田市内のすまい。
建て主Kさんとはあるイベントで出会った。
「岐阜高山の民家のような家を建ててほしい!」
開口一番の言葉を今でも思い出す。
敷地内には、すでに真新しい母屋があった!
が、高山民家の雰囲気はない。
今度こそは!とお考えになったのか!?
高山の吉島家は私にとって特に好きな建物。
大学の研究室以来、触れることも多い。
土間の豪快な梁組が
高窓の障子を透した光で浮かび上がる。
柱や梁はベンガラに煤を混ぜているのだろう、
濃い紫色をしている。
さて今回、その希望にかなったであろうか?
千葉はまだプレカット(柱梁の継手、仕口を機械で加工する)
によらず
大工が直接、鑿(ノミ)で加工する「手刻み」による家が多い。
また、通し柱(1階床から2階の梁まで通る柱)ならぬ
「通し梁」(屋根の端から端まで通す太い丸太、背骨の役割)
の風習もある。
成田で作るのは飛騨の匠ではないが、
匠の名にふさわしい職人たちが携わった。