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日本の美をつたえたい―鎌倉設計工房の仕事 103
「成田の濃紫べんがら」
いままでは建物の長手方向(平側)の写真だが
今回は短手方向(妻側)を見る。
これは東面にあたり
朝日がガラス面から建物奥へと差し込む。
反対側も同様にガラス面になっており西日が差す。
写真は前面の道路から撮影しているが、撮影位置の背面には
コンクリートの建物の壁があり、西日がその建物に反射し
成田の家を照らし
東面のガラス窓からは午後になっても明るい光が入ってくる。
屋根面を支える母屋という角材が屋根から跳ねだすが
その先端を隠すため幅の広い破風板を山型に回している。
この破風板を材の切り口に対して垂直につなぐと
重く感じるので下側を少し内に傾斜させている。
破風板が下屋(横葺き部分)に届く箇所を見ればその角度が
見て取れるのでは?
なお破風板は実際、下屋と
わずかに離し、雨の自然な流れを止めない。
むろん、破風板の傾斜は軒と同様、
破風回りもシャープに見せている。