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日本の美をつたえたい―鎌倉設計工房の仕事 113

「成田の濃紫べんがら」

 

今回はサンルームの奥を見る。

床板や周囲の土台で使っている檜は

石檜(いしび)。

そう呼ぶのは、木でありながら石のように硬い檜だからだ。

 

檜というと比較的柔らかい木に属するが

土地柄で異なるのも面白い。

そういえば栃木県壬生町の現場で日光杉を見た。

日光の杉は硬く

一見すると欅(けやき)ではないかと思うほど、

濃い赤茶色で重い。

 

白壁のすぐ下は

杉板を大和張り(2枚の板を間をあけて重ねて張る)

にして、べんがら壁を増やす。

白壁とべんがら塗りの壁と美的バランスをとるためだ。