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日本の美をつたえたい―鎌倉設計工房の仕事 121
「成田の濃紫べんがら」
前回と同じような写真で恐縮だが
少しコメントを。
通常建設中の現場に入っても
建て主を交え職人と建築家が打ち合わせながら進める。
設計段階で密な打ち合わせを行うが、それでも
現場で「こうしたい!」
という事情が必ず出てくる。
まず格子戸の上にガラスがはまっているが
設計段階では壁であった。
ガラスにすることで屋根を支える材木が上から降りてきて
そのまま庭へと出てゆく、
内と外がつながって気持ちの良い空間ができる。
また建具も同様に4枚引違いの格子戸だった。
4枚引違が、2枚引き分けの格子戸になっている。
両端の2枚分を固定の壁に変更して
格子の間にガラス(ツインポリカ)を入れている訳だが
設計当初、水場はゆで卵を長手方向に割ったような
石をイメージしており、平らな部分をくりぬきシンクを創るイメージだった。
が適切な石が見当たらず、機能性を優先して
建物に組み込まれた水場とした。
そのため両端の格子下に低い腰壁を設けたが
最初からそうであったように、なじんでいると思うが
いかがだろうか?