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日本の美をつたえたい―鎌倉設計工房の仕事 123
「成田の濃紫べんがら」
サンルームから奥の
茶の間やダイニングスペースを見ている。
2階からサンルームを見下ろせる様子、
濃紫べんがらの千本格子で玄関土間と仕切られている様子、
梁と束とは「込栓」(こみせん)という堅木で貫かれ、
互いに結ばれている様子もわかる。
この込栓、
中央上部左手の横木(梁)と短い縦木(束)、上下に
見えるへそのようなものだが、直径15ミリ、長さ15センチほどの棒だ。
硬い欅や楢、橅、樫などで作る。
梁の穴から入れ、梁の芯に届く柱の先端(ほぞ)の穴に通すが、
穴同士がほんの僅か、ずれている。
このため一度入れたら抜けにくい。
金物を使わずとも材相互が抜けない伝統の知恵だ。
手前上部の梁には、多くの垂木がかかっている。
白い照明上の三角スペースには、ガラスが入り、外の庭と連続させている。
垂木がエンドレスに外に繋がり、開放的な様子を見せる。
手前、縁台の檜、肌理が美しい。