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日本の美を伝えたい―鎌倉設計工房の仕事 126

「成田の濃紫べんがら」

 

同じような写真で恐縮だが、少しコメントを。

「階段箪笥(タンス)」

正面の階段を手に入れた時、「古福庵」ではそう呼んでいた。

タンスと呼ぶ時、動かせる家具なのだ。

また「箱階段」という場合もある、この際は階段の形状が

箱を積み重ねたところに焦点を当てている。

ただ「箱梯子」というのもありこの時は階段より勾配が急な点に重点を置く、

多分そんな意味だろう。

横浜の百貨店で建築家展を行った時

手話のお客さんがいらしてこの写真をご覧になり、

急な勾配を手振りで表現していた。

きっと「箱梯子」と

仰りたかったに違いない。

箪笥、というだけに引き出しには便箋、封筒、はがき、家計簿

あるいは裁縫箱や、救急箱などが入る。

この階段箪笥も茶の間に以前置かれていたのであろう、

そこにはいつも主婦がいて空拭きし磨いたせいか

ご覧の様に、ぴっかぴかに光っている。